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▼ チーカマの想い出 ※以下のテキストは、2003年2月10日のひとことの転載です。 いい話がしちゃいたくなった。 ぼくの家はずっとマンション住まいで、両親ともに外に出ていたので、ペットを飼うのなんて到底ありえないことだった。 でも、ぼくが幼少のみきり、毎年夏休みや春休みになると遊びに行っていた親戚の家には、犬がいたのだ。 名前はモモ。柴犬をベースにした雑種のメスで、従姉妹の趣味だろうか、いつも赤い首輪をしていた。 ぼくが5歳か6歳の頃にもらわれてきたモモは、しつけはちゃんと出来ていたけれど、若いうちはちょっとした隙に庭を抜け出して、近くの草っぱらへ逃げ出してしまったりした、オテンバさん。そういえば用を足すときも、片足を上げる、いわゆるオススタイルの用の足し方をしていたなあ。 そんな、モモが脱走してしまったときに登場したのが、モモの大好物だったチーズかまぼこ。通称、チーカマだった。 モモが逃げ出したときは、決まってこのチーカマを餌にモモを呼び寄せて、チーカマを食べているうちに縄をつけたものだ。 偶然チーカマを切らしていたときは、他のもので誘ったりするんだけど、なかなか寄ってこない。しょうがなく近くのスーパーまでチーカマを買いに行ったりもした。釣る餌がチーカマになると、モモはすぐさま駆け寄ってきた。 先日、スーパーで、ふと、そのチーカマが目にとまった。 今はもういないモモのことが、頭に浮かんできた。普段は元気いっぱいなのに、雷と花火が苦手で、雷の日と花火大会の晩は、普段入れてもらえない玄関で寝ていたなあ。ヘルニアの薬が嫌いで、ご飯に混ぜても絶対残していたなあ。 そんな想い出と一緒に、ぼくはそのチーカマを買い物カゴにそっと忍ばせた。 家に帰って、さっそくチーカマを開けてみる。そうそう。この形だ。ビニールを剥いて… うーわ、なにこれ?不味っ!! (いい話?) 2003.02.10
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