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▼ カレー屋の公用語

※以下のテキストは、2003年1月16日のひとことの転載です。

今日はちょっと外に出ていて、いつもと違うエリアでお昼ご飯。
「本格」を謳った、インド人の経営するカレー屋さんに入ってみた。
「イラッシャイマセ」
と、マスターらしき人がお出迎え。おそらくインドの人なのだろう。
従業員はマスターの他に二人。どちらもアジア系の顔立ちだが日本人ではない。「チャン」とか呼ばれていたから、中国の人だろうか。
さすがインド人が本格を謳うだけあって、カレーはおいしい。ナンもおいしい。
店内にはインドっぽい音楽が流れて、まさに本格といった趣きだ。

と、従業員同士の会話が耳に入ってきた。
「○△××◇〜」
う、うん?この言葉は英語ではない(インドの公用語って英語だよね?)。
何を言っているかはわからないが、これはおそらく中国語…。
ちょうどお客が途絶えたところで暇があるらしく、その二人はずっと話している。
本格インドカレーの店で、あふれんばかりの中国語。ありえない。

…いや、待てよ。カレー発祥の地インド。そこと日本を結ぶものといえば、シルクロード。すなわち中国という国なのだ。かつて仏教が姿かたちを少しずつ変容させながら中国をとおって日本に伝播したように、カレーも時を遅くして日本に伝わり、今や国民的メニューに至るまでになった。
そうか。インド人のマスターが作って、中国人のウェイターが、日本人のお客に運んでくる、この系図こそ、カレー文化の伝播をそのまま体現したものではないか。すばらしい!カレーのシルクロードが、今このお店に再現されているんだ!

でもカレーって、インドからかつてインドを支配したイギリスに渡って、そこでアレンジされたものが日本に伝わったんですよね?

…あ。そういえばそうだ…
2003.01.16

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